皆さま、こんにちは。奈良県SSHコーディネーターの山田です。いよいよ新年度がスタートしましたが、先生方は相変わらず多忙な日々を過ごされ、生徒の皆さんは期待と不安が入り混じった複雑な気持ちのことと思います。私自身も、SSHコーディネーターとして2年目を迎えることとなりました。今年度は、前年度に皆さまからいただいた課題を解決できるよう業務を進めて参りたいと考えております。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。なお、今年度はじめましての方につきましては、このブログの第1回に私の自己紹介がありますので、そちらをご覧いただけると幸いです。
さて、既にご存じの方も多いと思いますが、3月の終わりに文部科学省から新しいSSH指定校が発表されました。その内訳は、基礎枠31校(認定枠8校を含む)、文理融合基礎枠3校で、今年4月現在のSSH指定校の総数は233校となりました。加えて、科学技術人材育成重点枠に2校、今年度から始まった高度な科学技術系人材を育成するための挑戦的な取組である重点配分に6校、認定枠の指定校がこれまでの取組を更に高度化するための措置である認定枠向け加速支援に5校が選ばれました。奈良県内では、県立青翔高等学校・青翔中学校が第Ⅳ期基礎枠に加え、大学や企業等との継続的な連携により高度科学技術人材の育成に特に力を入れるプロフェッショナル型の重点配分の指定を受けることになりました。同校の新しい研究開発主題は『共創で未来を拓くサイエンスイノベーターの育成~古都奈良から世界へ~』となっています。デジタル大辞泉によると、「共創」とは「異なる立場や業種の人・団体が協力して、新たな商品・サービスや価値観などをつくり出すこと。コクリエーション。」とあり、学校と大学・企業・自治体等が協働・連携することで、探究活動(課題研究)を通して新たな価値を創造することを意味しています。ちなみに、今年度SSH指定校のうち青翔高校を含む7校が「共創」という言葉をテーマに盛り込んでいます。「サイエンスイノベーター」とは、文字通り科学の分野で変革をもたらす人材、すなわち高度科学技術人材にあたります。さらに、副題である「古都奈良から世界へ」は、生徒の国際性を育み、国際的にも協働・連携していく姿勢が表れています。重点配分では、探究活動において、生徒と大学や企業の研究者・技術者、卒業生サポーター等をマッチングし、指導を受けたり共同研究を行ったりするシステムの『青翔スカイゲート』、タイなど海外の学校との国際共同研究の進め方をパーケージ化し、他校への普及を図る『青翔グローバルナビゲーションプログラム(SGNP)』に新たに取り組むことになっています。同校に限らずこれらのSSH事業を進めるためには、学校と大学・企業・自治体との協働・連携ばかりではなく、学校間の連携・情報共有が大切になると考えます。その一環として、今年度も奈良県内の国立・私立のSSH指定校を含む6校の『奈良県SSH連絡協議会』を引き続いて実施する予定です。また、各SSH指定校では、生徒の研究発表会が順次開催されています。この様な機会をご利用いただければ、各学校にとって効果的な連携・情報共有が図れるのではないでしょうか。
ところで生徒の皆さん、新しい学年はいかがでしょうか。多くの学校では、新しい学年とともに新たな探究活動(課題研究)もスタートしたのではないかと思います。4~5月は、1年間(またはそれ以上の期間)行うテーマ決めの時期になっていると思いますが、このテーマの設定は今後の探究活動の成否を左右するとても大事なことなのです。「何となく面白そうだから。」とか「友達がそのテーマにするから。」といった理由でテーマを選ぶと、後々後悔することになってしまいます。ここで一番重要なのは、自分自身の興味・関心を大切にして欲しいということです。思いつかない人は、好きな科目、将来の進路、趣味等をもとに検索してみてください。ただ、時間も予算も限られていますので、あまりにも壮大なテーマになってしまった場合は、自分たちの実現可能なレベルにスケールダウンしてみてください。「世界の温暖化」より「○○池の生態系の変化」の方が具体的です。あとは、先行研究を十分に調査するとともに、研究の意義を明確にできると満足感のある探究活動が行えるでしょう。なお、同様のことを第4回のブログにも書いていますので、参考にしてください。
| 図1 令和8年度現在の全国SSH指定校数(科学技術振興機構Webページをもとに作成) |